
連絡のないおばあちゃんの怖い話 お客のおばあちゃんが今日に限って連絡ない。家に行って確認すべきだろうか。 ホラーIQ - 無料 ダウンロードなし
連絡のないおばあちゃんの怖い話 お客のおばあちゃんが今日に限って連絡ない。家に行って確認すべきだろうか。
これまでも、うっかり予約を忘れてしまうことは何度かありました。でも、そんな時は電話を一本入れれば「ごめんね、今すぐ行くわ!」と元気な声が返ってきたものです。一度、急な入院で来られなかった時も、お友達がわざわざ「本人は電話できる状態じゃないから」と律儀にキャンセルの連絡をくれました。
それが今日は、時間を空けて3回電話しても、呼び出し音が虚しく響くだけです。
「もし、私が予約の日時を書き間違えていただけならいいんだけど……」
雨の日に送り迎えをしたり、トイレットペーパーを届けたりしたこともある、ごく近所のあのお家。玄関先までは何度も行ったことがあります。もし家の中で倒れていたら。そう思うと、動悸が止まりません。
結局、胸のざわつきを抑えられず、私は仕事終わりに彼女の家を訪ねました。19時の住宅街は、雨の音にかき消されて不気味なほど静かです。
呼び鈴を鳴らしても返事はありませんが、玄関の引き戸に手をかけると、驚いたことに鍵がかかっていませんでした。「おばあちゃん、入るよ?」と声をかけながら、暗い廊下へ足を踏み入れます。
「ああ、先生。来てくれたのね」
奥の居間から、聞き慣れた穏やかな声がしました。明かりがつくと、そこにはいつものように端座し、テレビを見ている彼女の姿がありました。
「ああ、良かった……。電話しても出ないし、予約にも来ないから、何かあったのかと思って」 私が肩の力を抜くと、彼女は申し訳なさそうに微笑みました。 「ごめんなさいね。電話、ずっと壊れているみたいで。せっかく来てくれたんだもの、お茶でも飲んでいって」
彼女はゆっくりと立ち上がり、台所へ向かいました。 私は彼女が座っていた座布団の横のテーブルに目をやりました。そこには一通の封筒が置かれています。表書きには、震えるような筆跡で私の名前。
(私への手紙……?)
気になって中身を少し覗くと、それは「遺言書」でした。 驚いたのはその日付です。「202X年○月○日」――つまり、明日の日付が記されていたのです。
「お待たせ。先生の好きなアールグレイよ」
彼女が盆を持って戻ってきました。カップからは湯気が立ち上っています。 「おばあちゃん、これ、明日の日付の遺言書が……」 問いかけようとした私の目に、台所のカウンターに置かれた「あるもの」が飛び込んできました。
それは、以前私が届けたトイレットペーパーの袋でした。しかし、中身はすべて取り出され、代わりに見たこともない大量の「赤い空き缶」が詰まっています。
缶のラベルには、大きく黒字で『殺鼠剤・即死性』と書かれていました。
彼女が淹れた紅茶の缶が、その空き缶と同じものであることに気づくのに、そうは時間はかかりませんでした。
これまでも、うっかり予約を忘れてしまうことは何度かありました。でも、そんな時は電話を一本入れれば「ごめんね、今すぐ行くわ!」と元気な声が返ってきたものです。一度、急な入院で来られなかった時も、お友達がわざわざ「本人は電話できる状態じゃないから」と律儀にキャンセルの連絡をくれました。
それが今日は、時間を空けて3回電話しても、呼び出し音が虚しく響くだけです。
「もし、私が予約の日時を書き間違えていただけならいいんだけど……」
雨の日に送り迎えをしたり、トイレットペーパーを届けたりしたこともある、ごく近所のあのお家。玄関先までは何度も行ったことがあります。もし家の中で倒れていたら。そう思うと、動悸が止まりません。
結局、胸のざわつきを抑えられず、私は仕事終わりに彼女の家を訪ねました。19時の住宅街は、雨の音にかき消されて不気味なほど静かです。
呼び鈴を鳴らしても返事はありませんが、玄関の引き戸に手をかけると、驚いたことに鍵がかかっていませんでした。「おばあちゃん、入るよ?」と声をかけながら、暗い廊下へ足を踏み入れます。
「ああ、先生。来てくれたのね」
奥の居間から、聞き慣れた穏やかな声がしました。明かりがつくと、そこにはいつものように端座し、テレビを見ている彼女の姿がありました。
「ああ、良かった……。電話しても出ないし、予約にも来ないから、何かあったのかと思って」 私が肩の力を抜くと、彼女は申し訳なさそうに微笑みました。 「ごめんなさいね。電話、ずっと壊れているみたいで。せっかく来てくれたんだもの、お茶でも飲んでいって」
彼女はゆっくりと立ち上がり、台所へ向かいました。 私は彼女が座っていた座布団の横のテーブルに目をやりました。そこには一通の封筒が置かれています。表書きには、震えるような筆跡で私の名前。
(私への手紙……?)
気になって中身を少し覗くと、それは「遺言書」でした。 驚いたのはその日付です。「202X年○月○日」――つまり、明日の日付が記されていたのです。
「お待たせ。先生の好きなアールグレイよ」
彼女が盆を持って戻ってきました。カップからは湯気が立ち上っています。 「おばあちゃん、これ、明日の日付の遺言書が……」 問いかけようとした私の目に、台所のカウンターに置かれた「あるもの」が飛び込んできました。
それは、以前私が届けたトイレットペーパーの袋でした。しかし、中身はすべて取り出され、代わりに見たこともない大量の「赤い空き缶」が詰まっています。
缶のラベルには、大きく黒字で『殺鼠剤・即死性』と書かれていました。
彼女が淹れた紅茶の缶が、その空き缶と同じものであることに気づくのに、そうは時間はかかりませんでした。
ここに掲載されている怪談はフィクションでいかなる個人・団体と関係ありません
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