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異聞・ひきこさんの怖い話 不登校の生徒がいた。そしてもう一つの都市伝説がはじまる。 ホラーIQ - 無料 ダウンロードなし


異聞・ひきこさんの怖い話 不登校の生徒がいた。そしてもう一つの都市伝説がはじまる。

俺のクラスに、不登校の生徒がいた。名前は、森ひきこ。
暗くて、ほとんど誰とも話さない、影の薄い女子だった。
彼女が学校に来なくなって、数ヶ月が経った。
クラスの皆は、次第に彼女の存在を忘れかけていた。
そんなある日、学校で奇妙な噂が流れ始めた。
「引きずり女が出る」という噂だ。

放課後、一人でいると、どこからか現れて、生徒を校舎裏の森に引きずり込んでいくのだという。
目撃者によると、その女は、片足が異常に長く、ズル、ズル、と片足を引きずるようにして歩くらしい。
ある者は、そいつの顔が、不登校の森ひきこに似ていた、と言った。
馬鹿げた噂だ。俺は全く信じていなかった。

その日、俺は日直の仕事で、一人だけ教室に残っていた。
窓の外は、すでに夕暮れの色に染まっている。
早く帰ろう。俺が教室の鍵を閉めようとした、その時だった。
廊下の向こうから、奇妙な音が聞こえてきた。

ズル…、ズルル…。

何かを、引きずるような音。
まさか。俺は耳を疑った。
音は、ゆっくりと、確実に、俺のいる教室に近づいてくる。
俺は恐怖で体が動かなくなった。
教室のドアの、すりガラスの向こうに、ゆらり、と人影が映った。
影は、ドアの前でぴたりと止まる。
そして、ドアノブが、ゆっくりと、ガチャリと回った。

「みーつけた」

ドアを開けて立っていたのは、噂通りの、片足が異様にねじ曲がった、森ひきこだった。
彼女の目は虚ろで、焦点が合っていない。
「ひきこ…さん…?どうして…」
俺が震える声で尋ねると、彼女はニヤリと笑った。
「違うよ。私は"ひきこさん"じゃない」
彼女は、自分の顔を指差して言った。
「私は、ひきこさんの"お姉さん"」

ひきこに、姉がいたなんて、聞いたことがない。
「ひきこはね、学校が嫌で、死んじゃった。だから、私が代わりに、学校に来てあげてるの」
彼女は、俺に向かって、ゆっくりと手を伸ばしてきた。
「あなたも、一緒に、森に行こう?ひきこが、待ってるから」

その時、俺は気づいてしまった。
彼女が引きずっていたのは、彼女自身の足ではなかった。
それは、ボロボロになった、もう一体の、別の死体だったのだ。
そして、その死体が着ている制服は、まさしく、森ひきこ本人のものだった。
では、目の前にいるこいつは、一体、誰なんだ?
俺の意識は、そこで途絶えた。

ここに掲載されている怪談はフィクションでいかなる個人・団体と関係ありません

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