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異聞・七人ミサキの怖い話 必ず一列に並んで歩いてくる。先頭とすれ違っても、最後尾の顔を見てはいけない ホラーIQ - 無料 ダウンロードなし


異聞・七人ミサキの怖い話 必ず一列に並んで歩いてくる。先頭とすれ違っても、最後尾の顔を見てはいけない

高知県、小高坂。大学生の蓮(れん)は、民俗学の調査でこの地を訪れていた。 「必ず一列に並んで歩いてくる。先頭とすれ違っても、最後尾の顔を見てはいけない」 地元の老人の言葉を、蓮は鼻で笑っていた。海沿いの廃村。霧が立ち込める中、蓮はカメラを回す。

「七人ミサキの面白いところは、システムの合理性ですよね。一人殺せば一人が成仏する。定員オーバーも欠員も出ない、完璧な循環だ」

蓮は道中、奇妙な「数」の違和感に気づく。古い掲示板に貼られた行方不明者の写真、道端に置かれた地蔵の数、そしてふと視界の端を通り過ぎる影。どれもが、なぜか「六」だった。



日が落ちると、急激に気温が下がった。それと同時に、蓮の身体を異常な悪寒が襲う。 心臓が激しく波打ち、視界が歪む。耳の奥で、カチャ、カチャと、濡れた足音が聞こえてきた。

霧の向こうから、一列に並んだ人影が現れる。 「来た……」 蓮は生唾を飲み込んだ。老人の忠告を思い出し、目を逸らそうとする。しかし、研究者としての好奇心が勝った。彼は指の間から、その行列を数えた。

一人、二人、三人……。 全員がボロボロの古着を纏い、顔は土気色で、強烈な磯の臭いが鼻を突く。 四人、五人、六人。 「あれ……?」 蓮は困惑した。六人しかいない。

伝承では必ず「七人」のはずだ。一人足りない。欠員が出ているということは、この呪いの連鎖は止まっているのか? それとも、誰か一人がすでに成仏して、まだ補充されていないのか?



高熱で朦朧とする意識の中、蓮は安堵した。 「なんだ、七人いないなら、こいつらは七人ミサキじゃない……」

足音は蓮の真横で止まった。六人目の影が通り過ぎ、最後の一人がいないことを確認して、蓮は顔を上げた。

「……よかった。助かったんだ」

その瞬間、蓮の背後に氷のような冷たい感触が走った。 後ろから、誰かが優しく彼の肩に手を置いた。

耳元で、湿った声が囁く。

「——やっと揃った。これで、俺が成仏できる」

ここに掲載されている怪談はフィクションでいかなる個人・団体と関係ありません

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