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テレビ会議の怖い話 ZOOMなどテレビ会議が当たり前になった。新機能の中にはあってほしくないものもあって... ホラーIQ - 無料 ダウンロードなし


テレビ会議の怖い話 ZOOMなどテレビ会議が当たり前になった。新機能の中にはあってほしくないものもあって...

深夜2時。ZOOMの画面越しに、新人の松田と二人きりで残業の打ち合わせをしていた。

「すみません、この部分の修正、明日までで大丈夫でしょうか……」 弱々しく笑う松田に、私は「いいよ、無理しないで」と優しく声をかける。 画面の端に、最近導入された『AIリアルタイム翻訳・字幕生成機能』のアイコンが光っているのに気づいた。

最新版のアップデートで、滑舌が悪くても正確に言葉を拾うようになったという触れ込みだ。 (邪魔だな、これ) 私は設定を開き、こちらのマイクを「ミュート」に設定した。画面上のマイクにはバツ印がついた。これで何を言っても、向こうには届かない。


「……本当、使えないな、こいつ」 ミュートにした途端、私の口からどす黒い本音がこぼれた。

画面の中の松田は、申し訳なさそうに頭を下げ続けている。その無防備な姿を見ていると、日頃のストレスが爆発した。

「死ねばいいのに。お前みたいな無能がいるから、こっちの仕事が増えるんだよ」 私は松田を指差し、画面に向かって罵詈雑言を浴びせかけた。どんなに汚い言葉を投げても、画面の向こうには静寂しかない。

この「一方的な断罪」に、私は歪んだ快感を覚えていた。 松田は伏せ目がちに資料をめくっている。 「聞いてんのかよ、クズ。お前の席、もうないからな」 私がそう吐き捨てた、その時だった。



松田の手が、ぴたりと止まった。 彼は顔を上げず、視線だけをゆっくりと、画面の右下へと向けた。

そこは、AI字幕が表示されるログ領域だ。 嫌な予感がして、私も自分の画面のログを確認した。そこには、ミュートにしているはずの私の「声」が、冷徹なフォントで一行ずつ、正確に刻まれていた。

『本当、使えないな、こいつ』 『死ねばいいのに。お前みたいな無能が――』

「……え、嘘だろ。ミュートだぞ……?」


実はこのカメラ会議の最新版では、音声と自動音声文字化機能とにわかれ、音声ミュートだけでは文字化がオフになっていなかったのだ。

しばらくたってこの事実に気付いた俺は、がっくりとふさぎこんだ。

ここに掲載されている怪談はフィクションでいかなる個人・団体と関係ありません

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