ホラーIQ : 1分の短い怖い話 - ホラーIQ(1)

ホラーIQ 目次
1:わかればホラーIQ110:エレベータに迫ってくる男
アリサは早めに退社した。
台風の風が街を舐め、ビニール傘が何本も裏返っている。
無事にマンションへ着き、胸をなでおろす。
エレベーターに乗り込んだ瞬間、入口の自動ドアが開いた。
そこに立っていたのは、ここ数日やたらと視界に入ってくる男。
買い物帰りのスーパーでも、駅の階段でも。
偶然...
>>
2:わかればホラーIQ100:学校の事故
昇降口の焦げた匂いは、雨上がりの校庭にまだ残っていた。
砂の上に転がる鈴と、ひしゃげた給食車。
近所の犬が遠くで吠え、誰かの傘が風で裏返る。
俺は出席簿を拾い、指で灰を払った。
先生一人、生徒四十名。
なのに遺体は四十四。
失踪者なし、名簿も欠けなし。
...
>>
3:分かればホラーIQ120:西遊記の怖い話
三蔵法師は、沙悟浄・猪八戒を従え天竺を目指した。
道中、妖怪たちの襲撃を受けても、お供の力で切り抜けていく。
だが――。
その中で、沙悟浄の行いは異様だった。
敵を斬り伏せるたび、血に濡れた武器を舐め、まだ息のある怪物を笑いながら嬲る。
人の姿を保ってはいるが、残忍さは妖怪をも凌ぐものだっ...
>>