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小泉八雲の怖い話 雪女 :ホラーIQ


HORROR IQ



小泉八雲の怖い話 雪女

武蔵の国の外れ、茂作という老いぼれと巳之吉という若い木こりは、毎朝決まって森へ出た。

冷たい仕事帰りの道、渡し場の小屋で吹雪に閉じこめられた夜、二人は蓑をかぶって震えていた。

夜更け、戸が勝手に開き、白い衣の女が茂作に息を吹きかける――彼女は巳之吉にも屈み、優しく、しかし冷たい声で言った。

「若いあんたは許す。ただし今夜のことを誰にも言ったら、殺す」

翌朝、茂作は凍えて死んでいた。巳之吉は黙って家へ戻り、やがて「お雪」という美しい女を娶った。



お雪はよく働き、子を十人もうけ、白い肌で村人の目を引いた。

ある夜、縫い物の灯に寄って昔の話をした巳之吉は、あの日の女のことを打ち明けた。

お雪は立ち上がり、彼の上に屈んで叫んだ。

「それは私よ。あの時、あなたに言ったでしょう――一言でも言ったら殺すと。

子らが寝ているから今回は許すけれど、もし子らがあなたを裏切るようなことがあれば、

私はあなたを相応に扱うわ――」

その声は風に溶け、彼女は白い霞となって屋根へ消えた。

……もう再び彼女は見られなかった。
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