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料理研究家の怖い話 :ホラーIQ


HORROR IQ



料理研究家の怖い話

夕飯の食卓は、今日も華やかだった。
妻は料理研究家らしく、彩り豊かな皿を並べる。
サクサクの唐揚げ、グラスには冷えたビール。
「あなたの好きな組み合わせよ」
微笑みながらすすめてくれる姿に、夫は感謝していた。

翌日は朝から爽やかな香り。
オレンジと牛乳の鮮やかなジュースが用意されている。
少し重たい気もしたが、彼女の好意を疑う理由はない。

さらに夜、薬を飲む彼の前に、切り立てのグレープフルーツが置かれる。
「ビタミンも取らなくちゃね」
妻は柔らかく言う。

ふと、夫は思う。
彼女はなぜ、いつも“組み合わせ”にこだわるのだろう。

テーブルに映る妻の笑みは、氷のように冷たい。
――そうか。これは健康のためじゃない。
彼女は、ゆっくりと、確実に、俺を壊そうとしている。

その夜、夫は初めて、妻の料理を口に運ぶ手を止めた。


(注)
*酒で胃や肝臓に負担がかかっているところに、油っこい揚げ物を食べると二重の負担になります。脂肪肝や胃もたれの原因に。

*牛乳 + 柑橘類(オレンジ、レモンなど) 酸によって牛乳のたんぱく質が固まり、消化に時間がかかるため、胃もたれの原因になることがあります。

*薬 + グレープフルーツ これは実際に医学的に危険。 グレープフルーツに含まれる成分が、薬の代謝を妨げ、効果が強く出すぎたり副作用を起こすことがあります。
(※パソコンのエッジで読み聞かせ機能を使うには、Ctrl+Shift+U」を押します。)

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