廃校の机 :ホラーIQ

廃校の机
夏休みの夜、友人と二人で肝試しに廃校へ忍び込んだ。錆びた鉄門を押し開け、雑草に覆われた校庭を進む。
懐中電灯の光に照らされる廊下は、湿気と埃の匂いがこもり、床板がぎしぎしと鳴った。互いに冗談を言い合い、怖さをごまかしながら進むうちに、一つの教室の前で足が止まる。
窓越しに覗くと、暗がりの中で机に誰かが座っているのが見えた。制服姿でうつむいてじっと動かない。
背筋に冷たいものが走り、私たちは慌てて踵を返した。
廊下を駆けながら隣の友人に声をかける。
しかし返事がない。
振り返ると、ついさっきまで隣を歩いていたはずの友人の姿がどこにもなかった。
名前を呼ぶ声が虚しく反響し、心臓が早鐘を打つ。もう一度あの教室を覗こうか迷ったが、不思議な引力に抗えず、恐る恐るドアを開けてしまった。
中は静まり返り、月明かりが机を照らしていた。
そこに座っていたのは、消えたはずの友人だった。
制服姿のまま、青白い顔をこちらに向けている。
瞳は虚ろに揺れ、唇はかすかに動いていた。
耳を澄ますと「代わりに座って」と掠れた声が漏れた瞬間、机の上の椅子がぎぃと音を立てて空席を差し出した。
(※パソコンのエッジで読み聞かせ機能を使うには、Ctrl+Shift+U」を押します。)夏休みの夜、友人と二人で肝試しに廃校へ忍び込んだ。錆びた鉄門を押し開け、雑草に覆われた校庭を進む。
懐中電灯の光に照らされる廊下は、湿気と埃の匂いがこもり、床板がぎしぎしと鳴った。互いに冗談を言い合い、怖さをごまかしながら進むうちに、一つの教室の前で足が止まる。
窓越しに覗くと、暗がりの中で机に誰かが座っているのが見えた。制服姿でうつむいてじっと動かない。
背筋に冷たいものが走り、私たちは慌てて踵を返した。
廊下を駆けながら隣の友人に声をかける。
しかし返事がない。
振り返ると、ついさっきまで隣を歩いていたはずの友人の姿がどこにもなかった。
名前を呼ぶ声が虚しく反響し、心臓が早鐘を打つ。もう一度あの教室を覗こうか迷ったが、不思議な引力に抗えず、恐る恐るドアを開けてしまった。
中は静まり返り、月明かりが机を照らしていた。
そこに座っていたのは、消えたはずの友人だった。
制服姿のまま、青白い顔をこちらに向けている。
瞳は虚ろに揺れ、唇はかすかに動いていた。
耳を澄ますと「代わりに座って」と掠れた声が漏れた瞬間、机の上の椅子がぎぃと音を立てて空席を差し出した。
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